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OpenVPN vs. WireGuard vs. Tailscale: どのVPNを選ぶべき?

安全な通信のためにVirtual Private Network (VPN)を設定するとき、OpenVPN、WireGuard、Tailscaleという代表的な3つの選択肢に出会うことがあります。一見すると同じ種類のソリューションに思えるかもしれませんが、それぞれには重要な違いがあります。OpenVPNとWireGuardはVPNプロトコルである一方、Tailscaleはオーバーレイネットワーク(WireGuard上に構築されたネットワークサービス)です。どれが自分に適しているか判断するには、これらの技術の違いを理解することが大切です。

違いを確認し、それぞれがVPNの選択肢の中でどのような位置付けなのかを見ていきましょう。


OpenVPNとWireGuard: VPNプロトコル

VPNプロトコルであるOpenVPNとWireGuardは、インターネットトラフィック用の安全なトンネルを作成するためのルールと暗号化方式を定義します。商用VPNとセルフホスト型VPNの両方で広く使用されています。


OpenVPN: 実績あるVPNプロトコル

OpenVPNは2001年から存在し、多くのVPNサービスやセルフホスト型VPNで定番のプロトコルとなっています。OpenVPNは暗号化にSSL/TLSを使用するため、高い安全性を備え、さまざまな用途に適応できます。


主な特長
  • 暗号化: 強力なSSL暗号化を提供(AES、Blowfish、Camellia、ChaCha20、Poly1305、DES、Triple DES、GOST 28147-89、SM4)
  • 互換性: Windows、macOS、Linux、Android、iOSを含む、ほぼすべての主要OSで利用可能
  • 設定の柔軟性: 非常に柔軟ですが、ルーティング、ユーザー管理、ネットワーク設定には手動設定が必要です
  • パフォーマンス: より新しいプロトコルと比べて低速で、特に高帯域幅の環境では差が出ます

OpenVPNは高い安全性と信頼性を提供しますが、パフォーマンスの制約と複雑な設定のため、速度とシンプルさを求めるユーザーには魅力が低くなります。


WireGuard: 現代的なVPNプロトコル

2020年にリリースされたWireGuardは、OpenVPNよりもシンプルで高速かつ安全になるよう設計された、はるかに新しいプロトコルです。最小限のコードベースと導入のしやすさにより、急速に普及しています。

主な特長
  • 速度と効率: スループットとレイテンシでOpenVPNを上回るため、動画ストリーミングやゲームなど高速接続が必要な用途に最適です
  • セキュリティ: 最先端の暗号化アルゴリズム(ChaCha20)を使用し、コンパクトなコードベース(約4000行、OpenVPNは約70,000行)は監査と保守を容易にします
  • シンプルさ: 設定が簡単で、特にGL.iNetルーター上のセルフホスト構成に適しています

ただし、WireGuardのシンプルさには制約もあります。たとえば、ポートフォワーディングなどのネットワーク設定を自分で処理する必要があり、Carrier-Grade NAT (CGNAT)によって自宅ネットワークへの外部アクセスが妨げられる環境では、うまく機能しないことがあります。


Tailscale: WireGuard上に構築されたレイヤー

TailscaleはOpenVPNやWireGuardのようなVPNプロトコルではありません。WireGuardを基盤プロトコルとして使用し、端末間で簡単、安全かつプライベートなネットワークを提供するネットワークサービスです。WireGuardであれば手動で行う必要のある設定の多くを自動化し、VPN構築のプロセスを簡素化します。

主な特長
  • WireGuardベース: WireGuardで暗号化トンネルを作成しますが、独自の管理レイヤーを追加して設定を自動化し、使いやすさを高めます。
  • NATトラバーサル: NATトラバーサルを自動で処理するため、接続の両側がCGNATまたはファイアウォールの背後にあっても、ポートフォワーディングなしで端末を接続できます
  • DERPリレーサーバー: 制限の厳しいNATなどによりピアツーピア接続ができない場合、TailscaleはDERPリレーサーバーを使用してトラフィックをルーティングします。ただし、これらのサーバーはレイテンシを生じさせ、帯域幅も制限されるため、高性能が必要な用途にはあまり適していません。
  • 出口ノード機能: Tailscaleでは、ネットワーク上の任意の端末を出口ノードとして設定できます。ほかの端末からのトラフィックはこの出口ノードを経由してルーティングでき、これらのクライアントにとっては実質的にVPNサーバーのように機能します。特定の場所を経由してトラフィックをトンネルする必要がある場合(例: 地理的に制限されたコンテンツへのアクセス)に特に便利です。
  • 使いやすさ: ポートフォワーディング、IPアドレス、動的DNSサービスの管理を心配する必要はありません。Tailscaleがすべて処理します。
  • サーバー管理不要: 自分でVPNサーバーを運用する必要はありません。各端末にクライアントをインストールし、安全なネットワークに接続するだけです。

Tailscaleは、シンプルさと自動設定を求めるユーザーに最適です。特に、NATやファイアウォールの制限によりWireGuardやOpenVPNなどの従来のVPNプロトコルでは接続が困難なネットワークで力を発揮します。


TailscaleではなくWireGuardまたはOpenVPNを使用する理由

Tailscaleの使いやすさは魅力的ですが、基盤となるWireGuardプロトコルを直接使用する、あるいはOpenVPNを使用する方が適した場面もあります。

  1. 完全な制御: WireGuardまたはOpenVPNでは、VPN設定を完全に制御できます。サーバー、ポート、DNS設定、ルーティングルールを自分で管理します。特定のセキュリティ要件やパフォーマンス要件に合わせてVPNをカスタマイズする必要がある場合や、別のVPN(例: 企業VPN)と互換性を持たせるためにトラブルシューティングする場合に最適です。
  2. 第三者を介さない: Tailscaleは安全ですが、直接のピアツーピア接続ができない場合は独自のコーディネーションサーバー(DERPサーバー)を介してトラフィックをルーティングします。WireGuardまたはOpenVPNなら、第三者のインフラに依存せずに済みます。注: Tailscaleの代替としてHeadscaleを使用できます。ほぼ同じ機能を持ちますが、完全にセルフホストされ、Tailscaleのコーディネーションサーバーを使用しません。
  3. 無料プランの制限なしでビジネス利用: Tailscaleの無料プランでは、接続できる端末とユーザーの数に制限があります。ビジネスで多くのユーザーや端末を接続する必要がある場合は、WireGuardを直接使用する方が費用対効果に優れる可能性があります。

WireGuardまたはOpenVPNではなくTailscaleを使用する場面

Tailscaleは、シンプルさと設定の容易さが最優先される環境、またはネットワーク条件によりWireGuardやOpenVPNで直接接続を確立するのが難しい環境で優れています。

  1. ポートフォワーディング不要: ポートフォワーディングを妨げるCGNATやファイアウォールを扱う場合、Tailscaleの自動NATトラバーサルとパブリックDERPリレーサーバーの利用は、より適した選択肢になります。
  2. シームレスなユーザー管理: Tailscaleはシングルサインオン(SSO)サービスと統合できるため、企業や家族でのユーザー管理が大幅に容易になります。OpenVPNやWireGuardのように、個別の認証情報を管理する必要はありません。
  3. 技術的な負担が少ない: ポート設定の手間をかけずにVPNを利用したいユーザーに適しています。

まとめ: 最適なVPNソリューションの選び方

  • OpenVPNは実績があり優れた安全性を持つプロトコルですが、パフォーマンスは劣り、設定に手間がかかる場合があります。
  • WireGuardは、ネットワーク環境を制御でき、ポートフォワーディングを設定できるユーザーに、最高のパフォーマンスとシンプルさを提供します。
  • TailscaleはWireGuardの強固な基盤の上に構築され、より簡単で使いやすいVPNソリューションを提供します。特にCGNATや複雑なネットワーク構成を扱うユーザーに適しています。GL.iNetルーターならWireGuardとTailscaleのどちらもすばやく設定でき、ニーズに応じた選択を簡単に導入できます。

OpenVPN vs. WireGuard vs. Tailscale: クイック比較

機能 OpenVPN WireGuard Tailscale
設定の容易さ より複雑な設定(GL.iNetルーターで完全対応) 簡単な設定(GL.iNetルーターで完全対応) 最も簡単な設定(出口ノードはGL.iNetルーターで正式サポートされていません)
速度 155 - 190 Mbps、より高いレイテンシ* 最大900 Mbps(GL.iNet Flint 2ルーターの場合)* WireGuardと同等(DERPリレー経由の場合を除く)
セキュリティ 強力だが古い 現代的で効率的 WireGuardのセキュリティを基盤とする
トランスポートプロトコル TCP, UDP UDP TCP, UDP
NATトラバーサル 手動設定が必要 ポートフォワーディングが必要 自動、ポートフォワーディング不要
ポートフォワーディング 必要 必要 不要
制御性 高い 高い 中程度(一部の接続ではTailscaleサーバーに依存)
最適な用途 エンタープライズ向けVPN 高速なセルフホスト型 簡単で安全な接続、特にCGNAT環境

*この速度は理想的なネットワーク条件下の実験室で測定されたもので、達成可能な最大速度を示しています。実際の速度はご利用のネットワーク環境によって異なる場合があります。

著者について

バージニア州出身で国際旅行を愛するAdamは、Virginia Techで電気工学の学位を取得しました。GL.iNetではソリューションエンジニアとコールセンター支店長を務め、デジタルノマド向けリソース「The Wired Nomad」を創設しています。Webサイト.

GL.iNetについて

2010年に設立されたGL.iNetは、OpenWrtベースのルーターと革新的なリモートネットワークソリューションを提供するリーディングカンパニーです。コンパクトなトラベルルーターから最先端のリモートKVMまで、パフォーマンスとセキュリティを追求した受賞歴のあるネットワーク技術を提供しています。

GL.iNetは、人々と組織が安心して接続できる力を提供します。ユーザー自身がコントロールできるようにすることで、Good Lifeを形づくる生産性とコラボレーションを支援します。

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